「炭水化物は脳の唯一の栄養分!だからしっかり摂らないと、頭が機能しない。」
「炭水化物を抜くと体に悪い」
ダイエット中に周りからそんなことを言われた経験はありませんか?こうした周りからのアドバイスに耳をかして、炭水化物をたくさん摂ってしまうと、ダイエットに失敗してしまいます。
ここでは、炭水化物を摂らなくても安全に痩せられるという正しい知識を紹介させていただきます。
炭水化物の代わりに脳のエネルギーになるもの
まず、よく勘違いされるのが「脳のエネルギーは炭水化物の糖のみ」という説です。通常、脳はブドウ糖を主なエネルギーにしています。1日約120gの糖が脳で消費されているといわれています。
そのため脳の活動を維持するためには、糖質(炭水化物)を摂らなければいけないと、古くから言われてきました。
しかし、最近の研究では糖以外にも脳のエネルギーになるものが見つかっています。それがケトン体です。
ケトン体とは
体はブドウ糖が枯渇したときに、肝臓で脂肪酸を分解して、その過程でケトン体を生成します。このケトン体は水溶性のため血管を通過して、脳のエネルギー源として活用されます。
ケトン体が脳のエネルギー源として使われるため、米やパンなどの炭水化物(ブドウ糖)を多く含んだ食品を食べなくても、脳はしっかりと機能するのです。
ですので、「炭水化物を抜くと脳が機能しない」は迷信です。信じられない方は、実際に1週間ほど炭水化物を抜いてみるとよいでしょう。いつも通り生活できると気づきます。
炭水化物を抜くと体に良い?!
「炭水化物を抜くと体に悪い」とはよく言われますが、反対に「炭水化物を抜いた方が体に良い」という見かたもあります。
炭水化物などの糖質は、食後に血糖値を急激に上げます。血糖値が上がると膵臓から大量のインスリンを分泌されるため、今度は血糖値を急激に下げます。ジェットコースターのようなイメージです。
この急激な血糖値の変化は、「眠気」や「空腹」を引き起こします。身近な例でいうと、昼食後に眠くなる現象が挙げられます。ラーメンやチャーハン、丼などの炭水化物を多く含んだ食事のときは、特に血糖値が上下するため、食後に眠くなります。
また、ご飯を食べて数時間しか経っていないのに、なぜか「お腹が鳴る」「空腹を感じる」というのも血糖値が下がったときの症状です。この場合も、インスリンが大量に分泌されて血糖値が急激に下がり、脳の機能が低下して糖質を欲しているという状態です。この時に、またガッツリと炭水化物を摂ってしまうと、血糖値のジェットコースター現象が再びおこるだけでなく、カロリー過多で脂肪にかわっていきます。
このように、炭水化物は眠気や空腹の要因になるだけでなく、太る原因にもなりえます。「炭水化物を抜くと体に悪い」という間違った理解を正さないと、いずれこの考えがダイエットのハードルとなってしまうかもしれません。正しい知識をつけて、ダイエットをおこないましょう!